師走に入って、一段と寒くなってきました。
年末には、ほとんどの方が大掃除をすると思います。
家の掃除も大事な行事なのですが、
不動産的なお話をすると、
今年お庭のお手入れやお掃除で大きなルール変更がありました。
お隣さんの樹木が伸びてきて、自分の敷地に入ってきてしまって
気になってしまって困ったことはないですか?
それで、隣の人に伝えてすぐに枝木を切って頂けたりするのでしたら
何の問題もないのですが、例えば隣地の方が不在だったり、
また隣地が空き地でなかなか連絡が付かないなど、
何かと困りますよね。
例えばコチラ
この建物の右側にある樹木は、完全に隣地にはみ出てしまっています。
逆に、建物の左側の駐車場部分は、隣地からはみ出してしまっています。
今年の4月に、民法(簡単に言うと、生活するためのルールですかね?)
の改正がありました。
4月以前の民法233条には、このようになっています。
1、隣地の⽵⽊の枝が境界線を越えるときは、その⽵⽊の所有者に、その枝を切除させることができる。
2、隣地の竹木の根が境界線を越えるときは、その根を切り取ることができる。
つまり、これまで隣家から越境した枝に関しては、
「隣家の所有者に枝を切ってもらうようお願いをして切ってもらう」
しか方法はなく、越境された土地の所有者が自ら枝を切ることはできませんでした。
ところが、2021年(令和3年)4月にこの民法233条「竹木の枝の切除及び根の切取り」
が改正されたことにより、2023年(令和5年)4月1日より一定の条件を満たす場合には
越境された土地の所有者が自ら枝を切ることができるようになりました。
一定の条件とは、
1、⼟地の所有者は、隣地の⽵⽊の枝が境界線を越えるときは、その⽵⽊の所有者に、その枝を切除させることができる。
2、前項の場合において⽵⽊が数⼈の共有に属するときは、各共有者は、その枝を切り取ることができる。
3、第1項の場合において、次に掲げるときは、⼟地の所有者は、その枝を切り取ることができる。
⼀ ⽵⽊の所有者に枝を切除するよう催告したにもかかわらず、⽵⽊の所有者が相当の期間内に切除しないとき。
⼆ ⽵⽊の所有者を知ることができず、⼜はその所在を知ることができないとき。
三 急迫の事情があるとき。
4、隣地の⽵⽊の根が境界線を越えるときは、その根を切り取ることができる。
注意点として、民法改正後もまずは竹木の所有者に越境した枝を切除してもらえるようお願いをする必要があります。
しかし、下記のいずれかを満たす場合には、越境された土地の所有者が自ら枝を切り取ることが可能となりました。
・⽵⽊の所有者に枝を切除するよう催告したにもかかわらず、⽵⽊の所有者が相当の期間内に切除しない場合
・⽵⽊の所有者を知ることができず、⼜はその所在を知ることができない場合(現地調査に加え、不動産登記簿・立木登記簿・住民票など公的な記録を確認して調査を尽くす必要がある)
・急迫の事情がある場合(台風によって折れた枝が建物を破損する恐れがある場合など)
これできれいに伐採完了です
まとめると、、
改正前の民法は、竹木の枝が越境していても隣地の所有者は自らその枝を切り取ることはできず、竹木の所有者が応じない場合には「枝の切除訴求訴訟」を提起する必要がありました。改正後もまずは竹木の所有者への切除依頼が必要となりますが、一定の条件を満たす場合には切除が可能となりますので、まずは自身と隣地の状況が改正後の状況に当てはまるかどうか確認しましょう。
また、意外と自分の敷地から枝が越境していることに気づいていない土地の所有者も少なくありません。不要なトラブルを避けるためには、隣地だけではなく自身の庭木も越境していないか、定期的に確認することが大切です。
大掃除ついでに、樹木を整える事もあるかと思います。
現状どうなっているか、ご自宅のお庭のチェックをしてみてくださいませ。
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