
内水氾濫の怖さについて考える
特に大事なのは、「川が氾濫する洪水」と「川が氾濫していなくても街に水が溜まる内水」を分けて考えることです。
まず、ものすごく簡単に言うと
| 種類 | 何が起きる? | 厚木市内であるもの |
|---|---|---|
| 🌊 洪水 | 川の水が増えて、川から水があふれる | 洪水浸水ハザード |
| 🌧 内水 | 雨が一気に降り、下水・側溝などで処理しきれず道路や敷地に水が溜まる | 内水(浸水)ハザード |
| ⛰ 土砂災害 | 山・斜面から土砂が崩れる | 土砂災害ハザード |
厚木市もこの3つを別々に確認できるようになっています。市の最新の「オールハザードマップ」では、洪水・土砂災害・地震・液状化をまとめて確認できます。
今回の千葉県の事例が重要な理由
2026年8月13~14日の千葉県では、非常に短時間に猛烈な雨が降りました。
千葉市では、
12時間で348mm
という観測史上最大の雨量を記録しています。
これは、8月の平年1か月分の約3倍に相当する雨が、わずか半日で降った計算です。
そして実際に、
- 道路冠水
- 車両の水没
- 床上・床下浸水
- 河川の急激な水位上昇
- 停電
- 土砂災害
などが発生し、8人が亡くなる大きな災害になりました。
ここで私たち不動産業者として非常に重要なのが、
「ハザードマップで色が付いていない=絶対に浸水しない」ではない
ということです。
厚木市自身も、内水ハザードマップについて、
想定区域以外でも浸水する場合がある
と注意しています。
厚木市で特に注意したい「内水」
ここが今回のポイントです。
例えば、
「川から500m離れているから大丈夫」
とは必ずしも言えません。
猛烈な雨が降ると、
道路
↓
側溝
↓
下水道
↓
排水能力を超える
↓
道路・駐車場・敷地に水が溜まる
ということがあります。
これが内水浸水です。
つまり、
洪水=「川から水が来る」
内水=「雨が多すぎて、水を捨てられなくなる」
という違いです。
不動産業者として考える「水害」について
例えばお客様から、
「この物件、水害大丈夫ですか?」
と聞かれたとします。
「ハザードマップでは大丈夫です」だけでは少し説明が不足していると考えます。
私は、
① 河川洪水
↓
② 内水
↓
③ 周辺道路の低さ
↓
④ 敷地と前面道路の高低差
↓
⑤ 駐車場・玄関の高さ
↓
⑥ 過去の浸水履歴
まで見たほうがいいと思います。
特に戸建てでは、ハザードマップの色だけではなく「現地の水の流れ」を見るのが重要です。
私たちは、現地に行ったとき、
「この道路、ちょっと下がってるな」
「この交差点に向かって道路が傾斜しているな」
「この敷地は道路より少し高いな」
「隣地との境界に側溝があるな」
「駐車場が道路とほぼ同じ高さだな」
というところを見る。
例えば同じ「内水浸水0.3~0.5m想定」でも、
道路より敷地が20~30cm高い家と
道路と敷地がほぼフラットな家
では、実際のリスク感は変わってきます。
もちろんハザードマップ以上の浸水を否定するものではありません。
「千葉県のような雨が厚木市でも降るのか?」
「千葉で348mm降ったから、厚木でも同じことが起こる」
ではありません。
ただし、
「これまで経験したことのないような短時間豪雨が、特定地域で発生する可能性を無視できない」
という認識は持っておいたほうがいいと思われます。
今回の千葉でも、短時間に雨が集中することで、河川や排水施設の処理能力を一気に超えました。
だから不動産では、
「過去にこの辺は浸水したことありますか?」
だけではなく、
「想定最大規模の雨が降った場合、どうなるか?」
を見る必要があります。
厚木市の洪水ハザードマップは、水防法に基づいて作成されています。
一方、厚木市の内水ハザードマップは、既往最大降雨をもとに作られたもので、厚木市自身が「水防法に基づくものではない」と明記しています。
つまり、
「厚木市オールハザードマップ」と一括りにしない。
ということです。
厚木市で水の災害を確認するときは?
STEP 1 洪水
→ 相模川・中津川・小鮎川などの河川氾濫リスク
↓
STEP 2 内水
→ 大雨で排水しきれない場合の浸水
↓
STEP 3 土地の高さ
→ 周囲より高いか低いか
↓
STEP 4 前面道路
→ 水がどちらからどちらへ流れる地形なのか
↓
STEP 5 敷地
→ 道路より宅地が高いか
↓
STEP 6 建物
→ 基礎・床・玄関・駐車場の高さ
↓
STEP 7 避難
→ 浸水した場合、車で逃げるのか、徒歩なのか、垂直避難なのか
これを見れば、単純に「ハザードに入っている・入っていない」より、かなり現実的な判断ができます。
「ハザードに入っているから危険です」
でも、
「入っていないから大丈夫です」
でもなく、
「ハザードマップは“危険か安全か”を白黒で判断するものではなく、この場所で何が起こり得るかを把握するためのものです。」
と説明することです。
今回の千葉のような豪雨を見ると、この考え方はかなり重要になっています。
厚木市も「内水については想定区域外でも浸水する場合がある」と理解していただく必要があります。
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