道路が狭い場合に広げることはできるか?

オーナー様・地主様

住宅街(分譲地)の道路が狭いと、毎日の運転はストレスですよね。
結論から言うと、法律上の最低ラインは「幅員4メートル」ですが、実際には自治体の指導や開発規模によって基準が異なります。 

道路の基準とは?

主なチェックポイントは以下の3つです。

1. 建築基準法のルール(最低ライン) 

日本の法律では、家を建てるための道路は原則「幅員4メートル以上」と決められています。 

  • 4メートルあれば、普通車と歩行者がなんとかすれ違える計算です。
  • もし4メートル未満(2項道路など)の場合は、道路の中心線から2メートル下がる「セットバック」が必要になります。 

2. 都市計画法・開発許可の基準(分譲地のルール)

一定規模以上の分譲地(開発行為)を作る場合、自治体がより厳しい基準を設けていることが多いです。

  • 幅員6メートル: 多くの自治体で「通り抜けができる一般的な市道」として推奨される広さです。これだけあれば、普通車同士がスムーズにすれ違えます。
  • 幅員4.5〜5メートル: 行き止まりの私道などで許容されるケースがありますが、すれ違いにはかなり慎重な運転が必要です。

3. すれ違いのための「待避所」

道路全体を広くできない場合、一定の間隔(例:35メートル以内ごと)に、少し道幅を広げた「待避所」を設けるよう指導されることがあります。


チェックのアドバイス:
もし検討中の物件であれば、その道路が「市道(公道)」なのか「私道」なのかを確認してみてください。市道であれば将来的な補修も安心ですが、狭い私道の場合は、将来の掘削や補修で近隣トラブルになるリスクも考慮しておく必要があります。

途中の道路が狭い場合にその目の前の所有者にできることは?

結論から申し上げますと、2項道路のセットバックは「建物の建て替えや新築時」に初めて義務化されるため、今すぐ強制的に下がってもらうことは法律上困難です。 

しかし、土地の所有者に自発的に協力してもらうために、以下のような「提案」や「行政のサポート活用」を検討する余地があります。

1. 「狭あい道路整備事業」などの行政制度を確認する

多くの自治体では、狭い道路(狭あい道路)を解消するために、セットバックにかかる費用を補助する制度を設けています。これを相手に伝えることが、協力のハードルを下げる材料になります。 

  • 費用の肩代わり: 自治体によっては、セットバック部分の測量費・分筆登記費・舗装工事費などを公費で負担してくれる場合があります。
  • 寄付・無償貸与: セットバックした土地を自治体に寄付または無償貸与すれば、その後の維持管理(道路の補修など)を役所に任せられるメリットを提示できます。 

2. 所有者へのメリット(節税)を伝える

相手にとっての直接的なメリットとして、固定資産税の減免があります。

  • セットバックして道路として提供した部分は、役所に申請することで固定資産税・都市計画税が非課税になります。
  • 「税金が安くなり、行政の補助で道も綺麗になる」という点は、交渉の前向きな動機になり得ます。 

3. 周辺住民と連名で自治体へ要望を出す

一人で交渉すると角が立つことがありますが、近隣の住民(特にすれ違いに困っている世帯)と協力して、自治体の道路管理課などに「道路拡幅の要望書」を提出する方法もあります。

  • 自治体が「整備促進路線」などに指定してくれれば、役所が主体となって所有者へセットバックの協議(話し合い)を持ちかけてくれるケースがあります。 

注意点:費用の負担について

行政の補助がない場合、セットバックには数十万〜100万円程度の費用(測量や塀の撤去など)がかかるのが一般的です。

  • 「どうしても今すぐ広げてほしい」という場合は、あなたがその費用を負担することを条件に交渉するケースもありますが、将来の所有権や管理責任について専門家(土地家屋調査士や弁護士)を交えた慎重な契約が必要です。 

まずは、その土地がある市区町村の役所に「狭あい道路の拡幅整備に関する助成制度」があるかどうか、電話や窓口で相談してみるのが第一歩です。

厚木市の場合の道路整備支援はあるの?

厚木市では「狭あい道路整備事業」という制度があり、セットバックが必要な土地(2項道路)について、市が土地を買い取ったり、支障となる塀の撤去費用を補助したりする仕組みが整っています。 

もしお隣の方にお願いを検討されているのであれば、以下の厚木市独自の支援内容を話し合ってみるのが現実的です。

厚木市の主な支援内容

  • 用地の買取り: 建築行為等に伴いセットバックが必要になった場合、市がその部分の土地を買い取る制度があります。
  • 支障物件(塀や生垣)の移転補償: セットバック部分にある門、塀、擁壁、立木などの撤去が必要な場合、市が決めた基準額の70パーセント以内を移転補償金として受け取れる可能性があります。
  • 舗装・整備の負担: 後退した用地の舗装などは、原則として厚木市が実施します。
  • 測量・登記費用の負担: 用地の買い取りにあたっての測量などは、市に行ってもらう選択肢があります。 

交渉を進めるためのステップ

  1. 「制度があること」を共有する
    お隣の方に「市が土地を買い取ってくれて、塀の壊し代も一部出る制度があるみたいです」と、相手の金銭的負担が軽くなることを伝えます。
  2. 道路管理課へ相談する
    厚木市の道路管理課(管理係)が担当窓口です。まずは「すれ違いができず困っている区間がある」と伝え、そこが市の整備対象になり得るか確認してみてください。
  3. 「建築時以外」の対応を確認する
    厚木市の要綱には「建築行為等」という言葉が含まれていますが、市が「安全な交通のために必要」と判断すれば、個別に協議に乗ってくれるケースもあります。 

注意点:
お隣の方が「今すぐ建て替える予定がない」場合、強制力はありません。しかし、将来の固定資産税が非課税になるメリットなども含め、厚木市の道路管理課で「現状の困りごと」を直接相談してみるのが最も確実な近道です。 

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